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アクションとリアクション

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指導するチームスタッフと練習前の打ち合わせや、ミーティングを行った時に、すごく気をつけている言葉があります。

「能動的」「受動的」「アクション」「リアクション」

それぞれが相対する言葉になりますが、サッカーという競技においてこの4つのキーワードは、試合中の局面でめまぐるしく入れ替わり、選手の選択によっては得点だったり失点だったりに繋がっていきます。一般的な解釈として、「能動的なアクション」はポジティブ、「受動的なリアクション」はネガティブな印象を受けますが、どのカテゴリーの試合でも、「能動的なアクション」が100%を占める試合などはなく、攻守の切り替えと同じように、それぞれのキーワードがその時点でのプレーの選択を迫るのです。

消えていく能動的なプレー

そもそもサッカーを始めたばかりの子供は、能動的であるはずです。自分からチームに入りたいとか、試合で得点したいとか…保護者が無理やりチームに加入させている、友達が加入したからなんとなくのようなケースを除けば、自分の意思で何か目的をもって練習に来ているはずです。それが、集団競技の中での自分のチーム内での立ち位置(技術やスピードのレベル)を感じ取り、ある程度の時間を経過するとチーム内での序列みたいなものが子供の中で自然と出来上がってしまいます。トップレベルの子供に比べ、その時点で何かが劣ってしまう子供は、失敗を恐れ上手い子にパスを出してその場をやり過ごすようなプレーを選択しがちです。

常にボールを要求するスタンス(アクション)

試合前や、ハーフタイムに「声を出して行こう!」という指示がよくあると思います。
大人なら、どういった言葉を?どのタイミングで?どの選手に?が的確にわかると思いますが、子供の中では、あまりにも抽象的な指示となり、想定していた結果にならないことがほとんどですよね。
ボールを持ったはいいが、囲まれて困っている選手に対し、「どっちに行け」という指示(声かけ)よりも「俺にボールをよこせ!」という声かけのほうが、子供らしく能動的です。
フットサルならGKを除くFP3名が常にボールを持っている味方選手に対し、「ボールをよこせ!」と要求していれば、パスが通る通らないは別として、パスコースが3つあるはずです。パスを出した選手は、もう一度ボールをもらいに動き声を出す。一見、乱暴なイメージに見えるかもしれませんが、最終的に誰が得点したとしてもチームの得点としてみんなで喜び、試合に出ていた選手はその得点に関与していた事実には変わりません。

「ドンマイ!」「ナイスシュート!」も必要ですが、これは結果(過去)に対しての声かけ。

試合中は、常に良い未来(得点して試合に勝つ)を、目指してプレーするのであれば、子供に浸透させるスタンダードな声かけとは、ボールをほしがる姿勢であり、それをワガママ、自己中心的な考えと切り捨ててしまうのは、チーム全体を考えた際に、非常に危険な判断なる可能性があります。

アクションするためのリアクショントレーニング

先述した「能動的なアクション」が100%を占める試合は、ありません。シュートが外れれば、ボールを外に出してしまえば、リスタートは相手ボール。どんな試合も、受動的になる場面は必ずやってきます。

受動的な場面から、能動的なサッカーに持ち込むためには、ボールを奪うこと。

ボールを奪うためのトレーニングは色々とありますが、ベースとなる体作りの最適なものとして、リアクションを楽しみながら行うことで、サッカーの試合中に必要な走り方やステップ、体の動きや向きを変えていくことができます。

二人一組で対面した状態から、中央に鏡があるかのように、一方の選手の動きを真似する。ここに、左右のステップから始め、前後や斜めの目印に向かって走ったり飛んだりすれば、ステップワークと常に相手を見た状況での体の向きが、養われます。

これが、一人で行うステップワークの練習と何が違うのか?

想定していない動きに対応するチカラ

どういったチームと対戦しても、相手選手の動きに合わせてボールを奪うことが出来る選手。
小学校年代だからこそ、身につけさせておきたいスキルです。